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保釈保証金が裁判所に没取されたケース

 今日朝一番で協会のFAX受付機が鳴りました。2枚のA4の紙が弁護士事務所から送られてきました。それに目を通した私は、頭が真っ白になりました。立替した保釈保証金の全額が裁判所に没取されたという内容だったのです。

 すぐに担当弁護士の先生に電話をかけて事情を聞きました。すると先生もあきれた様子で私にバツが悪そうに説明してくれました。実は「被告人は会社の社長で、裁判所の出頭日だった日は、この会社にとって重要な契約があったので、その契約が終わってから出頭する考えだった。」との事でした。そして結局出頭したのはその3日後だったため、没取されてしまったのです。まるで運転免許証の停止に対して運転免許センターに行く日を延ばすような感覚ではありませんか。

 この事により被告人のお父さんと取り交わした保釈保証金立替委託契約書の第9条に基づき、お父さんは立替金相当額損害賠償を負うことになったのです。しかしお父さんもご高齢の為、月々20万円弱という収入の中から協会と協議の上で月々2万円を支払っていく事になりました。お父さんも被告人のあまりにも軽い考えの被害者です。

 そして協会も、全国の被告人の保釈の為に使用する立替金を管理する立場から言わせていただければ、このような無責任な方への立替はしたくはありません、本当に悔しいです。何故ならば、年々協会で取り扱う立替の件数は増えています。我々はその全ての立替に対して無事故で処理するという事、そして立替件数増加に比例して立替手数料の引き下げをする事、これを目標として日々業務をおこなっているからです。

 どうか協会から立替支援を受けた皆様、保釈中は犯した罪に対しての反省を生かし、真面目に社会復帰を目指してください。
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